2009年02月03日

08年3月〜6月コラム

『きたしばごっとう』〜茶がゆができるまで〜 文・うずはしみほ
『子育て中のぼやき・PART1(食編)』 文・子育てにようやく慣れた「ぷう」
『贅沢な食卓』−モロッコ・タジン鍋− 文・うずはしみほ 


『きたしばごっとう』〜茶がゆができるまで〜 文・うずはしみほ 

 最近覚えた日本語がある。
「梅に鶯」…取り合わせのよい二つのもの、美しく調和すること、
仲が良いことをたとえて言うらしい。北芝に昔から食べ継がれてきたごっとう料理(ごちそう料理)にも、まさに梅に鶯!なゴールデンコンビネーションを誇る料理がある。
−それは茶がゆと塩こぶ。お茶と米のシンプルな茶がゆの甘みに、
ピリピリするほど山椒が効いた塩こぶがよく合う。
毎年、北芝のおばちゃんお手製の塩こぶを頂くのだが、
年々山椒の量が増えてきている気がしてならない…。
おばちゃんたちはこの山椒がたっぷり入ったのが好きなんだそうだ。
 
 先日NICOで行われた「カフェのつくり方講座」の中で、
この茶がゆと塩こぶを出そうということになったのだが、さて作ろうと
したはいいけども、「ん?」そーいやどうやって作るんやっけ?誰もわからない。そこでごっとうマザーのきよちゃんおばちゃんに電話で聞く。

「お米は米のまま入れるの?ご飯にしてから入れるの?」
「な、なに言うてんねんな!ほんまそんなんじゃよー作らへんやろ、みにいったる」

 …ということできよちゃんが食後のほろ酔いタイムを割いて
来てくれた。ほっぺが梅の花のように紅い。

「これは京都でしか売ってへんからな。いつも買うてきてもらうんや」
そう言って持ってきてくれたのはいつも使っているというほうじ茶。
ここのがおいしいらしい。きよちゃんおばちゃんをはじめ北芝の
ごっとうマザーたちはお茶だけじゃなく七味唐辛子は荒神さんの、
こんぶはどこそこの…といろいろよー知ってはる。

そんなこんなでお湯が沸いたので、そこにお茶のパックを入れ
(今回は約15名分で3袋)、強火でグツグツと煮出していく。
しっかりとお茶が出たらお米を投入!(15名分で3〜4合)
このお米も、「お茶に入れる直前にシャっと洗うんや、シャっとでええで。」
昔は洗わずにそのまま入れていた時もあったらしい。

お米を入れたら噴き出さないように、そのまま強火でグツグツ。たまにかき混ぜる。
強火でグツグツすることでお鍋の中でお米が回り、よりおいしくなるそうだ。
30〜40分経ちお米に少し芯が残る程度で火を止めてできあがり。

「お米にちょーと芯を残すんやでっ」
きよちゃん何回も言ってたからここは重要ポイントみたい。
あ、だから茶がゆってあんなにさらさらしてるのか、とそこでやっと分かった。

 茶がゆを食べるとなんとも言えずほんわかじんわり、胃から体全体が温まる感じがする。
体にやさしいのは、ちょっとしたさじ加減と、食べる人への愛情が詰まっているから(照)
…だと思った。
  
        

『子育て中のぼやき・PART1(食編)』  文・子育てにようやく慣れた「ぷう」 

 子どもを産んで育てはじめてから「食」をさらに意識するようになった。
意識するというよりも「食」が気になってしゃあないという感じか。
常に“今日の晩ごはん何食べさそ”
“明日の朝ごはんの材料はと…”
“何やったらモリモリ食べてくれるんか”
とか、子どもに食べさすことへの心配は尽きない。
特に、離乳食前半の時期に外出する時なんかは
“ベビーフードもって行こかなぁ、うーんでもなぁ…”
“やっぱり作っていこ。でもあの店チンしてくれるかなぁ。”
“食べてる最中にぐずったら…”
なんて、世の中の乳幼児を持つ親は一体どうしてるんや?
外出してへんのか?
 
 乳幼児を連れて安心して気軽に行ける食べ物屋さんはほんと少ない。
ファミレスとかどこかのチェーン店なんかは、例えば子ども用のイスとか
少々汚しても店員さんがフォローしてくれるとかはあるけど、
子ども用のメニューやのに味がすごく濃くて食べさせるのに少々思い切りがいるとか、
店の雰囲気とメニューの両面で納得できる「理想のお店」はなかなかない。
でも私だってたまには外で子どもと共にゆっくりとおいしくごはんを食べたーい!!

 その点、コミュニティレストランお宝屋は私にとってはとても居心地のいい場所。
持参した離乳食をチンしてくれとか、子ども用に細かく刻んで欲しいとか、
水で薄めて下さいとか、私の子どもに必要なお願いを少し遠慮しながらも
気楽に言うことのできる「理想のお店」。
しかもすべてのお店が手作りの優しい味で安心して食べさせてやることのできる料理。
悩ましい悩ましい食事の一食が大いに手抜きができる!
さらにやってる店員さんがとても楽しそう。お客も店員もガヤガヤ言いながら
楽しくごはんが食べられる。
時には諸先輩方に子育てのアドバイスをもらったり同じ年代の子ども同士が
ヨチヨチ遊んだり、ママさん同士で普段の子育ての失敗を笑い飛ばしたり、
トイレ行きたい時に子どもを見てもらったり、ホントものすごく
リラックススペース。
感謝です。ありがとうございます。

 きっと利益追求型ではなく、食を通しての人とのであい、コミュニケーション
の場としての目的がなせる業なんだろうなぁ。
世の中にもちょっと工夫することでお宝屋みたいなお店や人が増えたら、
渇いた時代がうるおうのに。

私も含めて何とか行動していこうよ、と思うのであった。



『贅沢な食卓』−モロッコ・タジン鍋− 文・うずはしみほ 

 今年の3月にモロッコに行ってきました。
行く前に楽しみにしていたクスクスよりも、現地で私のハート(胃袋?)を
つかんだのはタジン料理。
円錐形の蓋をした土鍋に、野菜や肉そしてスパイスを入れてグツグツと
蒸し煮したもので、日本で言う鍋です。
円錐という形がたぶんポイントで、うまいこと旨味が逃げないようになってて、
野菜がとにかく甘い!ウマイ!!
仲良くなったモロッコ人たちは「晩ごはんはタジンを食べにいこう」とか
「ぼくんちのタジンは世界一おいしいから食べにおいで」とか、
晩ごはんといえばタジンなので、ほぼ毎日のようにタジンを食べていたような気がします。

 まずスークと呼ばれる市場で材料調達をするんですが、
迷路のようなスークには野菜、魚だけじゃなくお肉、スパイス、そして鶏や
ウサギまでもが飛び回っており、活気に満ち溢れてる。
狭い路地を人々が行き交い、鶏は興奮し走り回り、ウサギは己の運命を
知っているかのようにジッと待っている。
夕暮時、豆電球の灯りの中はじめてそこを歩いた時は、
いつかどこかで見た映画のセットの中に飛び込んだかと思いました。

 その日の気分に合わせてビーフ、ラム、チキンなどの肉か魚を選んで
それに合うスパイスを量り売りで買って家路につきます。
調理方法は至って簡単、玉ねぎじゃがいもトマトなど野菜をどんどん入れて
お肉(または魚)を投入、オリーブオイルかアルガンオイルを垂らして
スパイスを入れたらあとは1時間とか2時間ひたすら煮るだけ。
最初は「え、そんなかかんの?」と驚きました。
でも「ゆっくり時間をかければかけたほど美味しくなるんや、
そんな焦ってどうする。」と言われガマン。
いつも日本では帰ったらすぐ出来るものについついなりがちですからね…。
そうしておなかぺこぺこにして、待ちに待ったタジンを、外は硬っい、
中はふんわりの“アラビアパン”、そして日本とは比べものにならんくらい
美味しいオリーブと一緒に頂きます。
みんな器用に手を使ってオリーブとタジンの野菜、そして野菜から出た汁を
パンに染みこまして頬張る。
同じ鍋をみんなで手でつつくのがまた良い。
「やっぱりあんたのスパイスセレクトは最高やわ」
「そうやろ?」
みたいなやりとりが続く。
どうやらこのシンプルなタジン鍋の決め手はスパイスの調合らしい。
いつもタジン鍋で飽きないのか聞くと
「いつもじゃない。タジンタジンタジン、クスクス、タジンタジン・・・」
「それ毎日やんっ。」

中の具材やスパイス調合でそれぞれこだわりが発揮され、
少しづつ違うから飽きることはないらしいです。

 モロッコの食文化は、すごく豊かやなぁと思いました。
日本みたいにありとあらゆる料理を口にすることはできなくても、
毎日スークに行き身近なところで作られた新鮮な食材を手に入れ、
ゆっくり時間をかけて食べる。
そして何よりも、自分の家のタジンが世界一ってみんなが思えるのだから。

posted by お宝屋 at 18:05| Comment(0) | TrackBack(0) | おにぎりコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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